インターネットはフリーじゃない

出版の電子化などに関係する話題を読んでいて感じる違和感その2、を書いてみる。

それはインターネットは無料じゃないということだ。なんでも無料でといっているけれども、通信料は払っているし、端末の購入代金も払っている。本を買って読むのと、インターネットで読むのとは、お金のかかり方が違う、ということをもっと考慮すべきじゃないかと、思うのだ。

私の場合、インターネットにつなぐために固定回線としてケーブルテレビのADSLを使っていてこれが、3千円ぐらい。それにiPhoneを使っているのでこれのパケ・ホーダイ料が5千円ぐらいだ。もちろんメールは私信にも使ったりしているので、すべてが出版物の代替となっている訳ではないが、これだけの料金を毎月払っているわけだ。この通信料分書籍なり雑誌なりを購入すると、結構な読書家になると思う。さらにいえば、iPhoneやパソコンの代金の一部もその費用と考えられる。

もちろんすべての人が、私と同じような料金と使い方をしているとは思えないし、同じ料金を払っているわけではないが、5千円程度はネットでの情報取得に払っているのではないだろうか。

もちろん、この料金は、コンテンツを作った人ではなく、流通させた会社に行く。

でもこれは出版も同じだ。どんなに時間とコストをかけて書いた本も、ぜんぜん(といっては失礼だけどそういうような本があるとして)手間をかけなかった本も、基本的に同じ大きさページ数なら、ほぼ同じ値段だ。(ほんとは部数っていう要因があるけどとりあえず考えない)

基本的に、紙の本も買いた本人よりも流通させた企業に、お金の大部分が行く。ネットと変わらない。ネットでは、書いた人にほとんど、あるいはまったくお金が行かないということはあるけれど。

すくなくとも、ネット上の情報は無料ではない。
ただ、見かけが無料に思えているだけだ。

同じようにあテレビ番組というのも、無料だが、そうではない。テレビ番組は、たとえ民放の地上波であっても、広告費によってまかなわれていて、それは結局我々が買う製品にコストが含まれている。

私は、ブログなど「いわゆる電子出版」と、紙の書籍を考えるのに、似ている組み合わせはないかとずっと考えてきた。いま、思うのは「映画」と「テレビ」の関係がそうではないか、ということだ。

つづく