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だれかが図書館から借りてきたらしい。
- 作者: 茂市久美子,柿田ゆかり
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2004/04/28
- メディア: 単行本
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「クリの木の幹に、枝の付け根が腐ってできた穴があり、その穴に、どうしたわけか、子グマが入って出られなくなってしまった。そうして、幹が生長するにつれて穴がふさがり、その結果、子グマは、木の中に閉じ込められてしまったらしいのです」
「子グマは、クリの木の中で、百年あまり眠っていたようです。穴から取り出したとき、樹液にぐっしょりぬれていたとか」
「けれども、この話をきいたとき、わたしは、クリの木が、かわいそうな子グマを、だれか心のやさしい人が見つけだしてくれるまで、まるでおなかの子どもをいつくしむ母親みたいに、幹の中にいだきつづけたように思ったのでした」