だれかが図書館から借りてきたらしい。

つるばら村の家具屋さん (わくわくライブラリー)

つるばら村の家具屋さん (わくわくライブラリー)

 あとがきに、木のなかから子グマのミイラが出てきたという実話が紹介されている。
「クリの木の幹に、枝の付け根が腐ってできた穴があり、その穴に、どうしたわけか、子グマが入って出られなくなってしまった。そうして、幹が生長するにつれて穴がふさがり、その結果、子グマは、木の中に閉じ込められてしまったらしいのです」
「子グマは、クリの木の中で、百年あまり眠っていたようです。穴から取り出したとき、樹液にぐっしょりぬれていたとか」
「けれども、この話をきいたとき、わたしは、クリの木が、かわいそうな子グマを、だれか心のやさしい人が見つけだしてくれるまで、まるでおなかの子どもをいつくしむ母親みたいに、幹の中にいだきつづけたように思ったのでした」