原発など

何かを書こうと思う。これからはもう少し更新頻度をあげようと思っている。思っているだけで、だめかもしれないけれど。

昨日、さと、が小学校の入学式を迎えた。3人の子どもたちは、全員が小学生となった。
私は、実のところ、この日がくるのを待っていた。

7年ぐらい前から、私は、子どもが生活の1番であるような生活をしようと、思ってきた。もちろん、いつでも1番であったわけではないが、映画も音楽も、以前の私にしては、ほとんど触れてこなかったに近い。本も、長編小説は読みきれないので、敬遠してきたし、買っても途中で読まなくなることの方が多かった。

それは、子どもため、というよりは、自分自身の決意だったから、やりたいことができなくても、それほど気にしてはいなかった。

でも、大変なのは、小学生になるまでだろうと思ってきたし、上の二人を見るにしても、小学生になると、格段に楽になったから、一番下が入れば、さて、やりたいことを始めようと思っていた。

しかし、この地震、そして原発だ。

私の住んでいるところは、震源から遠いところだから、直接的な被害は受けなかった。

しかし、電車は止まり、3時間半歩いて自宅に戻った。かお先生は、帰ることができずに職場で泊まった。3人の子どもは、近所の方に、預かってもらっていた。人と人とのつながりの大切さを感じることができた。

次の日に、ニュースを聞いて「原発がやばいですね」と言った記憶がある。予想は的中したどころか、はるかに悪い方向へ進み、今にいたっても先行きがどうなるのか、確実なことは見いだせていない。

まさか、放射能の雲がやってきたら、○○しましょう、などということを自分自身が実行することになるとは思っていなかった。そういう意味では「想定外」なことだったのだろうが、実際には、多くの人が、原発は、地震によって電源が失われてしまうと大変なことになる、という指摘をいままでにしてきたのは確かなことで、原発の関係者が「知りませんでした」ということはないだろうと思う。「そんなことおこるわけないだろう」と思っていたわけだ。そして、それは、私も同じなわけだ。

テレビは相変わらず見ていないので本当かどうかはしらないが、ネットで知る所によると、水産省だか、東大の教授だかが、「海に放射能を流しても、拡散するから大丈夫。生物濃縮などはない」というような発言をしたらしい。が、すぐ基準値を超えるヨウ素に汚染された魚が見つかった。

私は、こんな発言は信じていないのだが、信じている人がいて、ビックリしたりしている。テレビにしても、雑誌にしても、新聞にしても、もちろん国にしても、東電にしても、それから、最近では「自動車や火力発電のほうが原子力より危険」とブログに書いたりしている人がいるけれど、そういう話はいつものことであって、どこからかお金が回っているということなのだと思えば、そしてそのお金は、まわりまわれば、私やあなたの財布から出ているということを思ってほしいけれど、そうね、たしかに20年前から(とはいわず原発ができてからずっと)同じだったし、それによって、多くの人たちは、原発は安全だし、必要不可欠と思わされてきたわけだ。どちらでもないのに。

でも、いつも、まじめに反論するときには、小難しい話をしなくてはならず、そういう小難しい反論は、だいたい、ふつうの人には相手にされないものなのだ。

でも、もう違いますよね。

いま、この事態を受けて、それでも「安全」だとか、「危険は少ない」とか、「電気のためにはしかたがない」とか、普通に考えて、言えないでしょう。

ちなみに、東電が重要なことを隠してきたことは、いままでにも何度もあるわけですが、大きな処分は受けていません。しかたがありません。我々の国全体が、それを許容してきたということです。私もその一人です。

先日、私の住んでいる県でも、浄水場からヨウ素が検出されました。しかし、最初は「検出されませんでした」と報道され、すぐそのあとに「検出されました」と変更され、私の住んでいる県の人の多くは、最初のニュースだけを知っていたようです。(基準値以下なので大丈夫です、だそうです)

また、浄水場から検出されたものが、実際の蛇口に出てくるまでには、時間がかかるはずですが、蛇口からどれくらい放射性のヨウ素が出ているか、調べていて、出ているにも関わらず、大きな報道もなく、県の衛生局のホームページにひっそりと数値が載っているだけです。

私の家では、浄水場から出た日から、子どもに放射性ヨウ素をできるだけ、飲ませないように、ペットボトルで売っている水を毎日買って、料理に使っています。そして、実際のところ、今日もまだ、出ていると県の衛生局はホームページ上に公表しています。たどり着くのに、少々苦労するところにです。

そして、実は、牛乳や野菜にも検出されています。いまのところ肉や魚にはでていないようです。
ちゃんと調べて公表してくれていることに、感謝しなくてはならないでしょう。我々は自力で、それを知る手立てをもっていないのですから。

こうしたことは、テレビでも新聞でも報告されません。基準値以下だから、安全です、ということです。

チェルノブイリの事故後、5年ぐらいして、原発に近い地域で、子どもに甲状腺ガンが多発していることがわかりました。原発から漏れだした放射性ヨウ素を、体内に溜め込んだことが原因です。いつの、どこのデータかわかりませんが、6千人がガンになったとされています。死んだ人もいれば、助かったけれども薬をずっと飲み続けている人もいます。

どれぐらいの放射性ヨウ素を飲んだら、ガンになるのか、これは多分わかりません。なんとなく推測するぐらいしかできないことです。そして、取り込んだとしても、ガンになるのは、何万人に何人か、というような話です。

国のいまの暫定基準値は、そんなにおかしな値ではないと思います。

ですが、5年後に、私の子どもがガンになっても、おそらく国はそれは原発事故とは関係がないというでしょう。

放射性ヨウ素による甲状腺ガンは、事故当時、10歳未満だった子どもに、集中的に発症しています。
また、外部からの放射線あびる外部被曝よりも、体内にとりこんで放射線を受け続ける内部被曝は、影響は大きいといいます。

そんなわけで、神経質な対応であることは理解しているものの、子どもたちには、水道水や、東北や関東でとれた食品は、口にさせないようにしています。

これを「風評被害」というのは、間違いでしょう。
間違った情報や、遅れた情報を出す国や東電に対し、それに従って、「汚染されているが、大丈夫」なものを、子どもに与えるのは、大変危険な行為だと私は思います。
危険な行為をさけているのに、それを風評だというのは、大きな間違いでしょう。
農薬を使っていない有機野菜を買うのと同じ、消費者の権利です。

農家の方、漁業の方、あるいは、飲食店の方もそうでしょう。さまざまな方が今回の原発で被害を受けていると思います。国や東電に、損害賠償の請求をしましょう。

そして、いかに、原発がリスクが高く、経済的にも成り立たないものか、確認しましょう。
チェルノブイリを超えるとも言われている、現在の状況は、残念ながら、東電一社どころの問題ではなく、日本という国をめちゃめちゃにしてしまいかねないものです。

ちなみに、事故が起こったとき、場合によっては、被害額が多すぎて、国も払いきれないほどであるということは、原発を計画するときから、分かっていたことです。津波は想定外の大きさでしたが、今起きている被害のある程度は、国によって予想されていたことです。ですから、商業用の原発は関東にないのです。

これからも、原発の被害は続きます。いつ終わるのか。とりあえず、数年は覚悟すべきでしょう。
ある人からもらった、メールに書いてあった言葉
「わたしたちは大変なものを、こどもたちに残してしまった」

償いをしなくては、ならない。そう思います。私自身が。