人はなぜ戦争をするのか エロスとタナトス (光文社古典新訳文庫)

人はなぜ戦争をするのか エロスとタナトス (光文社古典新訳文庫)

読んでいると、まるで俺のことか、と、うなってしまう文章。

鬱病患者のふるまいは、後悔や自責の念にうちひしがれた普通の人のふるまいとは違った性質のものである場合が多いことは、注目に値する。正常な人でも、後悔や自責の念に駆られると他人に激しい恥辱の感情を抱くものだが、鬱病患者の場合には、こうした恥の感情が欠けているか、ほとんど気づかれないほどである。鬱病患者は反対に、自分の真の姿を露呈することに満足をみいだすかのように、切迫したありさまで自己の内実を告げようとするのである」
「喪とメランコリー」(フロイト中山元訳)「人はなぜ戦争をするのか」光文社古典新訳文庫p.110)

#私は鬱病ではないが、こんな風にブログを更新し続けているのは、どこかで恥の感情が欠けているからだと思っている。
 ちなみに、喪つまり葬式でいろいろと忙しいのは、やることが沢山あって、身体を動かし、人と話し(とくに死とは直接関係のない事務的な話を沢山し)ているうちに、死のショックから立ち直ることができるからではないかと、私は思う。森田療法と似た効果が、冠婚葬祭にはある。だから、そういった儀式を効率化させてはいけないのだ。一見、無意味に思える沢山のめんどくさいことをこなすことには、人の心を癒す効果がある。