午前中は、近くの公園に行って子供たちと遊ぶ。ただの雑木林の急斜面なのだが、子供は喜んで登る。近くに階段もあるが、もちろん登ることが目的ではないので、らくちんな方法だからといって、そうするわけではない。登るのに苦労するところを登るのが楽しいのだ。
 子供を見ていると、こいつらほんとに苦労好きだなあ、と思う。あるいは無意味なことに熱中するというか。登っても何があるわけでもないところを登るだけで楽しい。小学三年でも3歳でも同じ。能力に違いはあっても、登ること、そして登った時のうれしさに違いがない。
 喜びは苦労とセットである、とそれを見ながら思う。登らないでそんなことを思っていると、パパものぼりなさーい!と言われて、登る。
 けっこう楽しい。
 階段で登れば、楽々だが、滑る斜面をおそるおそる登って、下を見下ろすと、なんだか富士山にでものぼったように爽快だった。
 でも、午後は仕事。