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藤原和博らの対談をちらっと読む。
あとがきで、自殺をやめろといっても、子どもたちには通じない。たとえば、何万人も大人が自殺しているが、この人たちは自殺した悪い人間なのか。自殺が悪ならば、この人たちは悪人ではないか、という論法にやられてしまう、という。この理屈は、「生きていることは素晴らしい」という価値観からも、同様な意味を見いだせる。つまり生きているのは素晴らしいから、死んではならないといったら、死者はみな素晴らしくないことになってしまう。それは死者を否定することにならないか。死んだ人間はダメなのか。
ではそこで、死者も素晴らしいといったら、死者と生者に違いはなくなり、なぜ死んではいけないのか、という問いに答えられない。
死はダメではなく、生は素晴らしくなく、しかし、生と死は等価ではなく、死んではならない。そんな理屈が通るだろうか?