デス・スタディ―死別の悲しみとともに生きるとき

デス・スタディ―死別の悲しみとともに生きるとき

たまたま、手に取った本が、自分を呼んでいると思う時があります。これがそうでした。看護書なので、なかなかお目にかかれない本ですが、一般の人向けでも充分興味深い、非常に優れたルポルタージュです。そして、死に直面したさまざまな人々の声を聞くことができます。最初の章の子どもの死については、なきそうになりました。だって、「おかあさん、ごめんさい」って、癌で放射線治療受けて、鼻血が止まらない子どもがいうんですよ。これも医学書の版元からでている本で、医者向けの本といえばそうなのですが、あいかわらず、直裁なものいいが楽しい春日先生の本です。まえがきに「どうして人を殺してはいけないか」という質問にたいする、春日先生の答えが書いてあります。私が知っている限りでは、この答え(答えの内容ではなく、こう答えるという姿勢)に、一番共感できました。