雨のなか車で、保育園へ子供を送った。近所の子らも共に。車で『バカチ○コ!」と叫び始める。
 少々、注意しても、収まらない。私はだいたいそういう時は、ほうっておく。
 「チ○コ」とか「オシリ」とか「うんち」とか、子供は大好きだが、「マ○コ」って叫んでいるのは、聞いたことがない。たぶん、子供も限界というものをしっているのだろう。
 タブー語を連発するというのは、それがタブーであるということを知っている、ということを意味している。3歳児といえども、よくわかっているわけだ。だから、そんなに気にしないでいいと思っている。っていうか、忙しすぎてそんなこと気にしてられないんだけど。
 ダブー語を連発する理由は、大人が眉をひそめる反応を得たいために違いなく、それはとりもなおさず、「僕のほうを見てよ」というメッセージに他ならない。でも、「チンコ」なんて言葉で、気を引かれてしまっていけない。そういえばこっちを向いてくれると学習してしまってはまずい。
 だから、一番いいのは無視することだと思っている。2、3回注意すれば、それをいったら親はいやがるということを子供はちゃんと学習する。それでもいうなら、無視するのが一番。スパムメールと一緒だ。そんな言葉をいったって、何の意味もない、ということを教えるのだ。
 放っておけば、そのうちいわなくなる。
 育児書などで、いちばん書きにくいのは、「ほうっておけばそのうち直る」だ。でも、よく考えてみれば、病気だってほとんどはほうっておけばそのうち直るのだ。充分な栄養と休息さえあれば、多くの病気は治る。それと同じだ。
 そのうち、いわなくなったら、ぎゅっと抱きしめてあげればいいのだ。おまえのことを大事にしているんだ。と。
 ま、そういいながら、共働きで年の近い3人兄弟では、そんな機会もそうそうなく、「不幸な生まれつきだ。不憫な子だ」と思うのであった。
 ま、人がせっかく愛情込めて作ったレンコンぱりぱりをするめの後まあしにするような奴だから、いいのさ。