一日にどれくらい放射性物質をとってもいいか

政府も、それから、メディアも、我々の立場でものを考えてくれないようなので、自力で、考えてみました。
私は専門家ではありませんので、以下のことは間違っているかもしれません。が、一応、参考までに書いておきます。

私の疑問は、放射能の摂取をどれくらいまでなら許容できるか、という疑問です。
放射能を体内に取り込む場合、その8割ぐらいは口から入ってくるものだと言われています。また、放射能を体内に取り込む被曝=内部被曝は、外部から放射線を受けるよりも、数倍から数十倍、数百倍大きな被害を受けると考えられています。

残念ながら、その疑問に明確に答えてくれる資料を見つけられませんでした。おそらく、そういった研究や調査はほとんどなく、実際のところは、「人類の誰ひとり、よくわかっていない」のだと思います。なにしろ、こんなに大量の放射能放射性物質が、巨大な都市に降り注いだことは、チェルノブイリぐらいしかないわけですから。そして、チェルノブイリの事故の被害は、未だに続いており、調査もまだ終わっていないと考えてよさそうです。

とはいえ、現実には、我々は汚染された食品を口にしているわけです。しかも、どうやらそれを回避することも難しいようです。すくなくとも日本に住んで生活する場合には、ある程度の放射能と共存していかなくてはならないだろうと思います。

もちろん、「避けることができるならば、避けた方が良い」というのは大原則です。

私はインターネットを中心に、いろいろと資料を探しては考えてきましたが、いろいろなことを考えていくと、かなり難しくなってしまいます。そこで、とりあえず単純に、WHOの基準値を元にして、だいたいの基準を自分自身で計算してみることにしました。
(WHOがどの程度信用できるかということは、とりあえず脇に置きます)

WHOの飲料水の基準は、10Bq/Lです。Bqはベクレル。Lはリッター。1リッターは1キログラムと同じと考えていいです。

WHOは、10Bq/lの水を1年間飲み続けた場合、0.1mSvの被曝に相当するとしています。

WHO飲料水水質ガイドライン
http://whqlibdoc.who.int/publications/2004/9241546387_jpn.pdf
p.202-204「放射線学的観点」から引用
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
その年に摂取された飲料水中の濃度がこの値を超えなければ、各放射性核種につきRDL 0.1mSv/年に相当する

ヨウ素131 10Bq/L (ベクレル/リットル)
セシウム144 10Bq/L (それ以外のセシウム同位体は100以上)

飲料水の年摂取量、730L/年と仮定

小児について計算された年齢依存線量換算係数がより高い(より高い摂取量もしくは代謝速度 を意味する)が、幼児または小児により摂取される飲料水量が平均的により少いために、線量が 顕著により高くなるということはない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー引用終わり

日本の基準は野菜などは、飲料水よりもずっと甘く設定されています。おそらく体内での吸収率などを考えてものだと思いますが、とりあえず、考えないことにします。

そうすると、0.1mSvに相当する放射性ヨウ素は、10Bq×730L=7300Bqということになります。

つまり、「まあ、これぐらいならば大丈夫だろう」というのは、合計して、1年間7300Bq以下と考えることができます。

参考として、我々は、年間0.29ミリシーベルト程度の内部被曝を、自然に受けています。(参照: http://ja.wikipedia.org/wiki/自然放射線

だからといって、0.29mSvでも大丈夫とは思えないですが、まあ、すくなくとも、これぐらいの内部被曝を子どもも受けながら成長しているわけだから、原発の事故で0.1mSvぐらい増えても、それほどの影響はないと仮定します。

さて、
年間7300Bqを、365日で割ると、20Bq/日 となります

つまり一日に20ベクレル以下なら、まず大丈夫だろうと、推測できます。

この基準を0.1mSvではなく、1mSVに増やしても、おそらく大きな問題はないだろうと考えるならば、一日200Bqということになります。(1mSvは、日本の原発事故前の外部被曝の一般人の許容量=できればここまで子どもを被曝するのは避けたい)

また、ある1日の摂取量が大きくなっても、次の日は少ないというようなこともあり、また、野菜や食品で取り込むとも、そのすべてが吸収されるわけではないことなどを考慮すると、20よりも多少増えても良いかもしれません。

そんなことも考慮すると、
結論は、食事などで摂取する量ととして、安心できる放射線量は、1日20Bq以下。
20〜200Bqぐらいならば、黄色信号。
200Bq以上になるのは避ける。

ただし、放射性ヨウ素についてはということになります。セシウムストロンチウムなどの摂取については考えていないのですが、セシウムヨウ素と単純に足し合わせて考えればよいと思います。

また、いまのところストロンチウムについては、あまり検出されていない(というか調査していない)のですが、骨にたまりやすいということなので、東北関東近海の魚は控えたほうがいいです。

半減期については、ヨウ素は8日と短いですが、いまだに新たな放出もあり、そう簡単に安心できませんが、あと2ヶ月ぐらいで、落ち着いてくるのではないかと思います。

基本的には、以下のURLから各県の測定値などを参考にしてください。
単位が、Bq/kgなので、1日で食べる量は100gとしたら、10分の1と考えて計算してみてください。
各県の数値から、どんなふうに買い物したらいいかは、また書くつもりです。

厚生省 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000016378.html
 のページの真ん中の「食品中の放射性物質に関する情報について/これまでの検査結果」に全国のデータが載っています。http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000016nd7-img/2r9852000001a1hi.pdf

神奈川県 http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f6576/p163715.html
東京都 http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2011/03/20l3p601.htm
千葉県 http://www.pref.chiba.lg.jp/annou/h23touhoku/index.html
埼玉県 http://www.pref.saitama.lg.jp/soshiki/k04/
栃木県 http://www.pref.tochigi.lg.jp/kinkyu/nousanbutru.html
群馬県 http://www.pref.gunma.jp/05/f0100188.html
茨城県 http://www.pref.ibaraki.jp/important2/20110311eq/nousanbutsu/index.html
宮城県 http://www.pref.miyagi.jp/gentai/Press/soudan/soudan00.htm
福島県 http://wwwcms.pref.fukushima.jp/pcp_portal/PortalServlet?DISPLAY_ID=DIRECT&NEXT_DISPLAY_ID=U000004&CONTENTS_ID=23692

など、各県のホームページから食物の汚染状況は確認できます。

#くれぐれも参考に。間違いや疑問点、アドバイスあれば遠慮なくください、お願いします。


追記:以下もご覧ください。
http://rokushin.blog.so-net.ne.jp/2011-04-28
http://rokushin.blog.so-net.ne.jp/2011-04-10
http://physico.tea-nifty.com/chu/2011/03/12-c231.html