教養としてのロースクール小論文〈上〉自己責任と資本制

教養としてのロースクール小論文〈上〉自己責任と資本制

教養としてのロースクール小論文〈下〉正義と実力と「世間」

教養としてのロースクール小論文〈下〉正義と実力と「世間」

google:浅羽通明 教養としてのロースクール小論文

みかけはロースクールの入試対策本だが、実際のところすべての人にお薦めしたい、名著だ。

たまたま間違って手にとったのだが、著者の名前に見憶えがあり、こんな実用本を書いてるんだと思ってパラパラめくってみたら、こりゃあ読まねばならぬと、数週間前に購入した。

実はまだ上巻の半ばなのだけれど、内容が濃いのでゆっくり読んでいる。

どんな本かというと、ロースクールの小論文として実際に出題された文章を読んで、それについて考えるというもの。ロースクールの問題ということで法律の難しいマニアックなものを想像するかもしれないが、さにあらず。法律学の未修者向けの問題ということなので、まったくの法律素人でも日本語が読めれば理解できるのです。
しかも、取り上げられているテーマは、「パターナリズム愚行権、自己決定と自己責任、ゆとり教育、性的自己決定、臓器移植、出生前診断グローバリズムセーフティネット、環境問題、内部告発インフォームド・コンセント、クオリティ・オブ・ライフ、パワー・ポリティクス、9・11とテロリズム戦争、イラク戦争と「帝国」アメリカ、宗教と人権、日本人と「世間」……などである」
そして、その問題文として引用される書き手も錚々たるメンバーなので、「日本の論点 解説つき」みたいなのです。

普通の本屋だとたぶん司法試験のコーナーにあります。小難しいこと大好きな方、見逃せませんよ。