というわけで、久しぶりに、寝る前の本読みをする。
さとは、これ。

だいちゃんとうみ (こどものとも傑作集)

だいちゃんとうみ (こどものとも傑作集)

みーにどれにする、といっても答えない。ちーと同じでいいらしい。

ハイジ (福音館古典童話シリーズ)

ハイジ (福音館古典童話シリーズ)

 ハイジがフランクフルトから、またおじいのところへ戻ってきたが、アルムの山にはもう住んでいないところを読む。ペーターは忙しくて学校にいけない、といっているけど、学校が終わる頃には、学校に来てハイジといっしょに帰るみたいな話がある。
 で、ハイジはおばあのところを訪ねるのだが、ここが、すばらしい。
 ハイジは古い歌の本をおばあに読んであげます。その最後の言葉。
 
「この目が暗くくもったときは
 この心を照らしてください
 家路をたどる旅人のごとく
 いそいそとみもとへ行けるように」
 
 おばあさんはこの言葉を何度か自分でもくりかえします。
 ハイジは「おばあちゃん、あたしよくわかってよ、家路をたどる旅人のごとくって、どういうことか」と言います。すごいなあここ。「みもとへ行けるように」がどんな意味かは、ハイジにはまだよくわからないことを暗に表現しています。おばあさんはこの歌で表情が明るくなり、それをハイジは喜んでいるのです。その対比がすばらしく悲しい。
「ほんとに、よかった、おばあちゃん、また元気になってくれたんですもの」というハイジに答えて、おばあさんはいいます。
「あたしだって、ほんとによかったと思ってるよ。こうして寝ついちゃいるけど、とっても気分はいいんだ。どう思う、こうして何日も何日もひとりぼっちで横になってて、だれの声もきかなければ、何にも見えず、日の目一つ仰げないだなんて、この気持、その身になってみなけりゃわかるもんか。そうやってると、ついつい気がふさいで、もうこれっきりお先まっくらだなんて思いこんじまうの。そういうときに、おまえの読んでくれたようなことばをきくと、心の中にひかりがさしてきたみたいに、またたのしくなってくるんだもの」
 読みながら、涙腺の緩くなった私は泣いてしまう。さととみーがなんで泣いてんの?というふうに不思議そうにみる。

 ハイジは家に帰ってから、おばあちゃんは、このことばをよんできかせると元気になるけど、今度いけるのは一週間後か二週間後になってしまう。毎日よんであげられればいいのに。そう考えて、ふっといい考えを思いつきます。
 さて!
 というところで、次章。
 おいおい。うますぎだぜ、ジュピーリさん。
 次章で、ペーターが学校にいっていないことが伏線となって生きてきます。うわああ、すばらしい物語だなあ。
 へんな小説読むぐらいならハイジ読もうよ、って思う今日この頃でした。