■
あいかわず「点子ちゃんとアントン」なのだが、中間をすっとぱして終わりを読んでも、やっぱり俺とケストナーは相性が合わないと思う。とりあえず、それが確認できただけでもよし。
たまたま目の前にあった「シートン動物記」を音読しはじめたら止まらなくなり(というかやめさせてもらえず)第一章を読む。長いんだけど。シートン動物記、悲惨な場面が多く、それもきっちり数ページごとに入れるエンターテイメント仕様。さとは恐くなって泣き出す。読んだのは「灰色グマ」だが、熊の視点、リスの視点といろいろな視点から書かれ、人間に対してはかなり批判的であるのが、ほんとうにすごいことだと思う。文章(原文+訳)もいい。
子供の熊が、母親と兄弟を殺され、孤独に生き延びていくのだが、これがほんとに坦々としていながら、つぎつぎと怒るイベントを通り越して、成長していく。物語として、よくできている。なんとなく、ちょっとまえに読んだ、コーマック・マッカーシーを思い出す。
- 作者: アーネスト・T・シートン,藤原英司
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2008/06/26
- メディア: 文庫
- 購入: 4人 クリック: 12回
- この商品を含むブログ (19件) を見る
- 作者: コーマック・マッカーシー,黒原敏行
- 出版社/メーカー: 扶桑社
- 発売日: 2007/08/28
- メディア: 文庫
- 購入: 11人 クリック: 182回
- この商品を含むブログ (123件) を見る
手前味噌だけど、シートンとマッカーシーなんて、普通は結びつかないでしょう。でも、これ、似てますよ。ということは、コーエン兄弟には「シートン動物記」を映画化してもらうと、いいかもしれませんね。