春日武彦 吉野朔実「精神のけもの道」
 まじめな読書がつづくと、軽いエッセイが読みたくなる。そうはいっても、せっかく読むのだから軽いだけじゃ嫌で、内容もちゃんとあってほしい。というようなわがままに答えてくれる人はあまりいない。私にとっては、そういう人は貴重な存在だ。内田樹とならんで、春日武彦はそういう貴重な人の代表で、医者とはおもえない、本音(暴言ともいう)が炸裂していて、楽しいし、精神を病んだ人たちをとおして見える、私たちの奇妙さを感じることができる。吉野朔実のマンガと各章の扉絵も、いい(とくに扉絵は本文との兼ね合いが最高)。
 しかし、こんなペースで本を買っていては破産する。もうすこし、節制しなければ。